こいつはいつも冷静だ
いつだったろう
俺が戯れに肩に触れた時も
その後に強く抱き締めた時も
戯れが戯れじゃなくなったその時だって
ただ涼しげなその目で俺を見た
「口付ける時位目ぇ閉じろよ」
笑いながら冗談交じりに言ってみる
だけどこいつは目を閉じる代わりにぐい、と俺を引き寄せた
それはでも せがむ様な甘い気配はまるで希薄で
この 息も共有出来そうな距離とは裏腹にどこか遠くに感じていた
女の様に恥らう様を見たい訳じゃない
ただ こいつには焦りや心の揺れは無いのかと
そんな姿があるのならこの手で引き摺り出してやりたいと
願う様になったのは今 そう この瞬間
俺はお前の何なんだ?
なんて野暮は訊くつもりもない
ただ 俺のせいでどうしようもなく揺らぐお前の瞳を見てみたくて
今日も静かなその目の中に じっと己の顔を映し込むんだ
2007.09.13 UP
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